「了解です」は、日常会話やビジネスシーンでよく使われるフレーズです。しかし、中には「了解です」を言われたときに「むかつく」と感じる人もいるようです。
特に部下から言われた上司のかたが多いとか・・・
本記事では、なぜ「了解です」がむかつくのか、その理由と、代替表現について解説します。
ココがポイント
「了解です」がむかつく理由
「了解です」がむかつくと感じる人々の心理
「了解です」の使い方をめぐる議論
「了解です」の代替表現
「了解です」の使い分けのポイント
「了解です」の歴史や文化的な背景
目次
「了解です」がむかつく理由
「了解です」がむかつく理由は、以下の3つが挙げられます。
敬語の誤用
「了解」は、本来「承知する」という意味の漢語です。そのため、目上の人に対して「了解しました」と言うのは、敬語の誤用となります。
「了解」は、本来は「上司が部下に対して、命令や指示を承諾する」という意味の言葉です。そのため、目上の人に対して「了解しました」と言うと、「自分の許可を必要とする」という印象を与えてしまいます。
例えば、上司が部下に「明日、この資料をまとめてほしい」と依頼したとします。部下が「了解しました」と答えると、上司は「部下が自分の許可を得て、資料をまとめてくれる」と解釈する可能性があります。
このように、「了解です」は目上の人に対して使うと、敬語の誤用となり、相手に不快感を与える可能性があります。
軽薄な印象
「了解です」は、日常会話でよく使われるフレーズです。そのため、ビジネスシーンで使うには軽薄な印象を与える可能性があります。
ビジネスシーンでは、丁寧な言葉遣いが求められます。そのため、「了解です」のようなカジュアルな表現は、相手に不快感を与える可能性があるのです。
例えば、取引先の相手から「この資料を明日までに送ってください」と依頼されたとします。部下が「了解です」と答えると、取引先の相手は「部下が軽率に仕事を受諾した」と解釈する可能性があります。
このように、「了解です」はビジネスシーンで使うには軽薄な印象を与え、相手に不快感を与える可能性があります。
不快感を与える
「了解です」は、単調な表現であるため、相手に不快感を与える可能性があります。
「了解です」は、肯定的なニュアンスを持つ表現ですが、何の感情も表さない単調な表現です。そのため、相手に「何を考えているのだろう」「やる気があるのか」などといった不信感を与える可能性があります。
例えば、上司が部下に「このプロジェクトを成功させてほしい」と依頼したとします。部下が「了解です」と答えると、上司は「部下のやる気があるのかわからない」と感じるかもしれません。
このように、「了解です」は単調な表現であるため、相手に不快感を与える可能性があります。
「了解です」は、日常生活やビジネスシーンでよく使われる表現ですが、目上の人に対して使うと敬語の誤用となり、軽薄な印象を与え、不快感を与える可能性があります。
正しい敬語表現や代替表現を使い、相手に不快感を与えないように注意しましょう。
「了解です」がむかつくと感じる人々の心理
「了解です」がむかつくと感じる人々の心理には、以下のようなものが挙げられます。
尊敬のニュアンスが薄い
「了解です」は、丁寧語の「承知しました」や「かしこまりました」に比べて、尊敬のニュアンスが薄いと感じられます。そのため、目上の人に対して使うと、軽視されているように感じられる可能性があります。
感情が伝わりにくい
「了解です」は、単なる承諾を表す言葉です。そのため、相手に喜びや感謝などの感情が伝わりにくい場合があります。そのため、相手に不誠実な印象を与える可能性があります。
「了解です」の使い方をめぐる議論
「了解です」の使い方については、賛否両論があります。
「了解です」の使い方を肯定する側は、以下のような主張をしています。
くだけた表現であるため、親しみやすさや親近感を感じる
簡潔でわかりやすいため、コミュニケーションを円滑にする
「了解です」の使い方を否定する側は、以下のような主張をしています。
尊敬のニュアンスが薄いため、目上の人に対して使うべきではない
感情が伝わりにくいため、相手に不快感を与える可能性がある
「了解です」は、正しい敬語表現ですが、使い方や場面によっては、相手をむかつける可能性があります。相手との関係性や状況に合わせて、適切な言葉や表現を使うようにしましょう。
「了解です」の代替表現
「了解です」の代替表現としては、以下のようなものが挙げられます。
正しい敬語表現
「承知しました」
「かしこまりました」
「承知いたしました」
これらの表現は、いずれも「理解した」という意味で使われるため、目上の人に対しても失礼になりません。
「承知しました」は、最も一般的な敬語表現です。
「かしこまりました」は、より丁寧な表現です。
「承知いたしました」は、「承知しました」に「いたしました」をつけた表現で、より丁寧な表現です。
ビジネスシーンで使える表現
「かしこまりました、ご指示通りにいたします。」
「かしこまりました、精一杯努力いたします。」
「かしこまりました、ご要望にお応えいたします。」
これらの表現は、ビジネスシーンでよく使われる表現です。
「ご指示通りにいたします」は、相手からの指示や依頼を承諾する表現です。
「精一杯努力いたします」は、相手からの依頼を全力で行う意欲を表す表現です。
「ご要望にお応えいたします」は、相手からの要望を叶える意欲を表す表現です。
カジュアルな表現
「了解しました。」
「かしこまりました。」
「はい、わかりました。」
これらの表現は、日常会話や、目上の人に対しても使えるカジュアルな表現です。
「了解しました。」は、最も一般的なカジュアルな表現です。
「かしこまりました。」は、「了解しました。」よりも丁寧な表現です。
「はい、わかりました。」は、最もカジュアルな表現です。
使い分けのポイント
「了解です」の代替表現は、状況や相手に合わせて使い分けることが大切です。
目上の人に対しては、正しい敬語表現を使う
目上の人に対しては、敬語を正しく使うことが大切です。そのため、目上の人に対しては「承知しました」や「かしこまりました」などの正しい敬語表現を使うようにしましょう。
ビジネスシーンでは、ビジネスシーンで使える表現を使う
ビジネスシーンでは、丁寧な言葉遣いが求められます。そのため、ビジネスシーンでは「かしこまりました、ご指示通りにいたします。」や「かしこまりました、精一杯努力いたします。」などのビジネスシーンで使える表現を使うようにしましょう。
カジュアルな状況では、カジュアルな表現を使う
日常会話や、目上の人に対しても使えるカジュアルな状況では、「了解しました。」や「かしこまりました。」などのカジュアルな表現を使うようにしましょう。
このように、状況や相手に合わせて「了解です」の代替表現を使い分けることで、相手に失礼のない言葉遣いをすることができます。
「了解です」の使い分けのポイント
「了解です」は、以下の場面で使うのが適切です。
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同僚や部下など、対等な関係の人に対して
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目下の人が、目上の人から依頼や指示を受けたとき
「了解です」の歴史や文化的な背景
「了解です」は、江戸時代から使われていた言葉です。当時は、「りょうりょう」と発音されていました。これは、中国語の「了解」を音訳したものです。
中国語の「了解」は、もともと「理解する」という意味の言葉です。しかし、日本では、次第に「承諾する」という意味でも使われるようになりました。
「了解です」が広く使われるようになったのは、昭和時代に入ってからです。戦後、日本は急速に近代化・西洋化が進みました。その中で、敬語表現も変化し、丁寧語の「承知しました」や「かしこまりました」に代わって、くだけた表現の「了解です」が使われるようになりました。
「了解です」がむかつくと感じる人がいる理由は、この歴史や文化的な背景にも関係していると考えられます。
まとめ
記事の内容をまとめます。
「了解です」がむかつく理由
目上の人に対して使うと失礼
単調で何を意味しているのかわからない
正しい敬語表現
承知しました
かしこまりました
代替表現
はい、かしこまりました
かしこまりました。承知いたしました
承知いたしました。よろしくお願いいたします
かしこまりました。何卒よろしくお願いいたします
「了解です」は、敬語の誤用や軽薄な印象、不快感を与えるなどの理由で、むかつくと感じる人もいるようです。本記事を参考に、適切な敬語表現や代替表現を使い、相手に好印象を与えましょう。